WAN(Wide Area Network)

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WANの概念図

  1. WAN(Wide Area Network) とは、広域ネットワークを意味し、地理的に広範囲にわたる通信ネットワークのことを指します。例えば、都市間、国間、さらには地球規模でネットワークを接続する仕組みです。


    WANの概要

    • 定義: 広い範囲をカバーするネットワークで、複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)やMAN(都市域ネットワーク)を接続するものです。
    • : インターネットは最も代表的なWANです。企業間ネットワーク、政府の通信網もWANの一例です。
    • 使用する技術: 専用回線、光ファイバー、衛星通信、4G/5G通信など。

    WANの特徴

    1. 地理的範囲: 都市、国、あるいは世界中にまたがるネットワーク。
    2. 接続技術: 公衆回線(インターネット)、専用回線(VPN)、衛星通信を活用。
    3. 速度と帯域幅: 広範囲にデータを送るため、速度や遅延(レイテンシ)が課題になることがあります。
    4. 管理: 大規模なため、プロバイダーや通信業者が管理することが多い。

    WANとLANの違い

    項目 WAN LAN
    範囲 広域(国や地球規模) 限定的(建物内、オフィス内など)
    速度 比較的遅い 高速
    構成機器 ルーター、専用回線、通信網 スイッチ、ハブ、ルーター
    管理 通信事業者や大企業が主導 個人や小規模な管理者

    WANの主な用途

    1. インターネット接続: 世界中のデバイスが接続される最大のWAN。
    2. 企業のネットワーク: 複数のオフィスや拠点をVPN(仮想プライベートネットワーク)で接続。
    3. クラウドサービス利用: クラウドサーバーとユーザーを接続。
    4. 金融システム: 銀行間のデータ通信や取引処理。

    WANの種類

    1. 公衆WAN
      • インターネットなど、誰もが利用可能な広域ネットワーク。
    2. 専用WAN(プライベートWAN)
      • 特定の企業や組織が利用する専用のネットワーク(例:企業のVPN)。
    3. 衛星WAN
      • 地上回線がない地域で衛星を使った通信網。航空機や船舶での利用が多い。
    4. モバイルWAN
      • 4G/5Gネットワークを利用して、広範囲でモバイルデバイスが接続するWAN。

    WANの利点

    • 地理的制約がない: 世界中どこでも接続可能。
    • データ共有: 複数の場所で効率よくデータを共有。
    • 柔軟性: クラウドやVPNを利用して拠点間で安全に通信できる。

    WANの課題

    1. 速度と遅延: 広範囲のため、通信速度が低下し、遅延が発生することがある。
    2. コスト: 専用回線や高速接続にはコストがかかる。
    3. セキュリティ: 公衆ネットワークはセキュリティリスクが高いため、暗号化やVPNが必要。

    まとめ

    WAN(Wide Area Network)は、地理的に離れた場所を接続するネットワークです。インターネットや企業のVPN、衛星通信などがWANにあたります。LANやMANよりも大規模なネットワークであり、クラウドサービスやリモートワークなど現代のインフラを支える重要な技術です